「史上最高の映画100」という英国映画協会が10年毎に発表をする企画で、日本映画の「東京物語」が海外で高い評価を受け、TOP10に入りし堂々の4位に選ばれました。
映画評論家や研究者により投票されるこの企画で4位はすごいですね!!
しかしながら、小津安二郎監督の作品「東京物語」は、日本国内の評価としては「つまらない」と言われる事があるようです。
世界で評価を受けた「東京物語」が何故日本国内では「つまらない」と評価されるのか。
海外で高評価を受けているようですが、何がすごいのか?
気になりますよね!
そこで、ここでは「東京物語は何がすごい?映画のあらすじや海外で評価の高い理由は?」と題して紹介をしていきます。
この記事を読むと、こんな事がわかります♪
早速チェックをしてみましょう!
目次
東京物語の作品概要とあらすじ
つまらないはずなのに観終わると面白かった良い映画だと何故か思わざるをえない謎の映画。三度目の同じ感想。スタンド能力があるとしたらそれは小津安二郎の「東京物語」。批判できる点は多々あるのに結局丸め込まれてしまうような魔力ある映画の一つ。 pic.twitter.com/jcKiWHgSFP
— かみや (@yT0C0abg) August 18, 2022
世界で評価をうけた「東京物語」はなぜ日本国内では「つまらない」と評価を受けるのでしょうか。
評価を分析する前に、まずは作品概要とあらすじを見てみましょう。
東京物語の作品概要
※公開年:1953年
※脚本・監督:小津安二郎
※キャスト:笠智衆、東山千栄子、山村聡、三宅邦子、村瀬禪、毛利充宏、杉村春子、中村伸郎、原節子、大坂志郎、香川京子、十朱久長、岡輝子、東野英治郎、高橋とよ、三谷幸子、安部徹、阿南純子
※作品概要:上京した両親を厄介者扱いする子供たち。気落ちする老親を、 一人温かくもてなす義理の娘。家族でも心の距離が遠くなる切なさと、 血の繋がりを超えた純粋な真心…人間関係の奥深さに魂が震える世界映画史上に残る大傑作。家族の絆を中心に、親と子どもの世界観のズレを描いた点が見どころです。日本人の死生観がある名作とも言われ、年齢層や家族拝啓により印象が変わる作品です。
ちなみにですが、妻夫木聡や蒼井優出演の『東京家族』という映画がありましたが、あれはもともと、小津安二郎監督『東京物語』のリメイクなんです!
東京物語のあらすじ
「東京物語」のあらすじを把握してから評価分析してみましょう。
しかし、開業医で医者の幸一と、美容院を営む志げは、それぞれの仕事や生活が忙しいようで、あまり2人を相手にはしてくれません。
幸一と志げは相談をすると、両親を熱海温泉に招待して行かせる気遣いします。
しかし、それはどこか厄介払いのようで、周吉と妻とみは何か温かさが欠けていると感じていました。
そんな周吉は、東京の下町で再開した旧友と呑んだことが楽しく、妻のとみは、戦死した次男の昌二の未亡人の紀子の優しいが嬉しかった…。
やがて、周吉と妻とみは尾道に戻りますが…。
東京物語はつまらない?
今回のTOP10入りで、SNSで様々な意見が飛び交っていました。
映画「東京物語」を見た
特別見たかった訳じゃないけれど
小津安二郎は
知識として見とかなきゃだなっていう
消極的な理由から見てみた(遅っ)
正直
世界的に絶賛される理由はよく分からなかった
決してつまらない訳ではないんだけど
この時代の東京を知らないので
ノスタルジーを感じるでもなく
↓続 pic.twitter.com/59s8ZLzmlc— さくたつ (@60U1sIVUL3PBzBy) February 7, 2022
酔った拍子に東京物語の続きを軽く観たけどこの作品は退屈でつまらないんじゃないな。
病的な美学というか、普通を装ったなにか薄気味悪いルールが課せられている。それが一種の神聖さを醸し出すときもあれば、ただひたすらにシステムに陥れた不気味に感じる奇妙な作品なんだな— てつを (@Takotiha) September 12, 2021
小津安二郎監督『東京物語』を見て「退屈」とか「つまらない」と感じる人がいるのは理解できる。核家族化が進んで高速交通網が整備された現代において、親子関係が希薄でも緩やかにつながっている環境にいる人にとってはただの日常の光景なんだろうし。 pic.twitter.com/wgJ6jlgGke
— The artist formerly known as グリンゴ (@EddieBenoit) June 11, 2021
なんか映画を見たかったけど、疲れてたので、激しくない、ハズレでない、淡々としたモノを見たいと思ったので小津安二郎の東京物語を観た。
一部からはつまらないといわれているが、この坦々とした家族の感じってリアルだよなぁ、と思いながら世界に浸れる感じで見れた。— 矢滝 歩💉💉💉 (@ayumuyadaki1986) April 18, 2021
様々な評価を見てみると、「つまらない」というよりは題材である日常を淡々と描いている描写から作品全体に地味さを感じてしまう所があるのかもしれません。
しかしながら、心理描写や当時の情景等々を加味して作品を見直すと、日常の中で私たちが普段感じる気持ちとの共通点を見つけることができたりと、他の映画にはない魅力があると思いました。
東京物語は何がすごい?海外での評価は?
小津安二郎さんの「東京物語」がずーっと
海外から評価され続けてることの意味を考えていきたい日本が失ったものと
未来で戦うための強みとの
双方に気付けると思う https://t.co/A53JJkKnxG— 浅倉新一 (@asakurashin1) December 3, 2022
実は、「東京物語」は今回の「史上最高の映画100」で初めて海外で評価を受けたわけではありません。
公開されてから、海外で長い間高評価を受けているのです。
1960年代に「東京物語」が海外の映画祭で初上映され、1963年にフランスを中心に国際的に高い評価をされました。
アッバス・キアロスタミ(イラン)、ヴィム・ベンダース(ドイツ)、侯孝賢(台湾)といった、海外の映画監や映画人達が次々に小津監督作品への敬愛を口にするようになります。
なお、ヴィム・ベンダース監督は、小津さんの作品に影響を受けて自身の映画的世界を築き、以下のように絶賛をしました。
形式的厳密さを好む作家がその好みを徹底させた場合、逆に驚くべき自然に達し、ほとんど生なましいドキュメンタリーであるかのように思われてしまうことがある。
2012年には、英国映画協会発行の「サイト・アンド・サウンド」誌で小津監督が同作品で「その技術を完璧の域に高め、家族と時間と喪失に関する非常に普遍的な映画をつくり上げた」と評価されました。
同誌は10年ごとに映画50選を発表しており、批評家部門で「東京物語」は2002年には5位、92年は3位にランクインしていたようです。
すごすぎます!
|
東京物語は何がすごい?つまらないと言われる理由は?のまとめ
尾道の映画資料館に立ち寄ったら、尾道が舞台となった小津安二郎「東京物語」の海外ポスターが飾られてた。
70年前とは思えないくらいモダンで洗練されたデザインに感動。素敵すぎてジーッと見てしまった。 pic.twitter.com/JbTKSvytnG— タカハシハルカ (@akurahisahakat) November 3, 2022
今回、「東京物語」について掘り下げてみた結果、近代映画のような派手さはないものの、他の映画にはない視点で作品が作りこまれている印象も強く感じました。
その点が海外でも評価を受け、長い期間にわたって話題に上がる理由なのだと思います。
是非一度、「東京物語」を見て頂きたいと思います。
|